私の好きな詩 その2。
スイミー
広い海のどこかに 小さな小さな小さな
魚のきょうだいが 楽しくくらしてた
みんな赤いのに いっぴきだけは真っ黒で
泳ぐのが だれよりも 得意なスイミー
台詞「みんな赤いのに、どうしてぼくだけ黒いんだろう」
ところがある日 おそろしいまぐろが
一口で 赤い魚たちを飲み込んだ
台詞「残ったのはスイミーだけ」
スイミーは泳いだ こわかった さみしかった
スイミーは泳いだ 悲しかった 悲しかった
けれども 海には 素晴らしい物が
面白い物が たくさんあるよ
にじ色のゼリーみたいなくらげ
ブルドーザーみたいないせえび
見たこともない魚たち
こんぶやわかめの林
台詞「岩のかげに、赤い仲間たちがたくさんいたよ。みんな一緒に泳ごうよ!」
台詞「だめだよ。大きな魚に食べられてしまうよ」
みんないっしょに泳ぐんだ 大きな魚のふりをして
けして離れない 持ち場を守ろう 心あわせて
台詞「僕が目になろう!」
朝の冷たい水の中を 昼の輝く光の中を
泳いだ 泳いだ スイミーと仲間たち
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